弁護士・中小企業診断士の谷田が,中小企業の皆さんを法律・経営両面で支援します。
株主総会開催・株式管理
株主総会開催の支援
1,平常時の株主総会〜現実に株主総会を開催する〜
中小企業の場合,株主が親族や側近だけで占められていることが多いためか,株主総会を実際に開催していないケースが散見されます。「会社の登記をいじるときに,議事録だけ作っている」という会社も実際には多いのではないでしょうか。
確かに,株主が親しい身内だけの場合,株主総会を会社法上の手続きに則って開催するのは面倒なだけに思えます。ですが,前述した「議事録を作っただけで,実際には開催していない」株主総会決議は,後日争われてしまうと,決議自体がなかったものとしてひっくり返ることがあります。
そして,その決議に基づいて選任された取締役は本来取締役でなかったことになるから,その取締役の行った行為も無効となり・・・といった感じで,さかのぼって色々な意思決定が崩れてしまう恐れがあります。また,「取締役選任決議は無効だから,これまでに受け取った役員報酬を会社に返せ」と言われることもあるでしょう。
経営者の皆さんは「株主はみんな身内だし,大丈夫。」「わざわざ株主総会の手続をつっつく株主なんてうちにはいないよ。」とおっしゃるのですが,親族間での対立(経営方針だけでなく,感情的な問題も含む)から株主総会決議の無効・不存在を主張されることはしばしばあります。
また,ほぼ全ての中小企業では,株式の譲渡制限が定款で定められていると思いますが,相続によって株主が交代することは拒否できません。ですので,株主の相続人が敵対的で,過去の株主総会決議の無効・不存在を後日主張されることもあります。
そういったわけで,特に株主間での対立が生じていないときでも,後日無効と言われないように,きちんと株主総会の招集手続きを取って,現実に総会を開催する必要があります。
「招集手続きをちゃんと取った」「現実に総会を開いた」ということの証拠をどのように残すかについて,弁護士が助言(書式の提供や段取りの説明)をいたします。
2,紛争状態での株主総会〜手落ちのない完璧な株主総会を!〜
対立株主がいるときの株主総会開催にあたっては,細心の注意を払わないといけません。たとえ株式の支配比率では経営者側が上回っていたとしても,株主総会の招集手続や当日の議事進行に手落ちがあると,後で「株主総会決議取消訴訟」を起こされ,決議が取り消されてしまうことがあります。
特に,対立株主は最初から「株主総会開催の手続に,何かつけいるスキは無いか」という視点であら探しをしてきます。場合によっては,株主が弁護士を代理人として株主総会に送り込むことさえありますので,会社側としても,会社法が要求する完璧な手順で株主総会を開催する必要があります。
こういった事態での株主総会においては,最初の招集通知の作成・発送から当日の議事運営に至るまで,弁護士が関与することは必須と言っていいでしょう。
株式管理
一般に,「会社の経営権を譲る」という場面では,その会社の株式全部を譲り渡すことで実現されます。株式会社にとっての株式というのは,ちょうど不動産でいう「登記」,自動車でいう「車検証の記載」と同じように誰が権利者なのかをはっきりさせるとても大事な要素なのですが,この点をいい加減に扱っている経営者の方は多いです。
「会社設立時に他人の名前を借りて株主になってもらったが,そのまま放置している」
「昔からある株式会社なのに,株券を発行したことがない」
「株主名簿を整備していない」
どれも,いざ「本当の株主は誰?」というトラブルが生じたときに,致命的な欠陥といえます。
段取りを踏んで順番に処理していけば,こういった株式の曖昧な状態は解消できますので,弁護士の助力を得て早期に解決することをお勧めします。
特に,これらの状態を長期間放置しますと,「株主が死亡して多数の相続人の手に渡ってしまった」「更にその相続人のうち何人かが行方不明(谷田の経験では,刑務所に入っている相続人もいました・・・)」という状態になり,もはや収拾がつかなくなります。
こういった株式管理への着手は,思い立ったときが始めどきです。「何から手をつけたらいいんだろう」というところから、遠慮無くご相談下さい。
なお,関連記事として,以下のコラムもご覧下さい。
「中小企業の株式あるある(株式管理のお話)」
「
株式管理をちゃんとしてないとどうなる?
」
「株式管理・今からでもできる対策を〜売渡請求1〜」
「株式管理・今からでもできる対策を〜売渡請求2〜」
「では,株主が行方不明になった場合は?その1」
「では,株主が行方不明になった場合は?その2」
定款のチェック
上で述べた「株主総会の開催」「株式管理」と密接に関連しますので,ここでは「定款」について触れておきます。
経営者の皆さんにとっては今更な話ですが,定款は「会社の基本ルール」です。定款の記載事項は,大きく分けて以下の3タイプに分けることが出来ます。
1,「絶対的記載事項」・・・その記載が抜けていると,定款自体が無効になってしまう事項
2,「相対的記載事項」・・・その記載が無くても定款は有効だが,仮に取り決めをしたいのであれば定款に記載しないといけない事項
3,「任意的記載事項」・・・その記載が無くても定款は有効だし,別に定款で定めなくてもいい事項(定款で定めれば,それはそれで有効になります)
このうち,特に専門家のチェックを入れたいのが2です。「どういった種類の株式を発行するか」「株式の相続人に対する売渡請求制度を入れるかどうか」「株主総会の決議要件」など,その会社の実情にあった規定を練らないといけないためです。
「会社設立時に司法書士や税理士に定款を作ってもらったけど,それっきり内容を意識したことはないなあ」という社長がおられましたら,是非ご相談下さい。
前述した「株主総会開催」「株式管理」を意識した定款の見直しをご提案させて頂きます。
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