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働き方改革〜その他の留意点〜(2019年07月01日)
<その他派生する問題点>

 さて,前回までは,「時間外労働の上限規制の概要」新しい三六協定書式への対応方法」についてお話をしました。
 今回は,時間外労働の上限規制から派生する問題点について解説します。宮崎県の多くの中小企業にとって関係のある事項ですので,是非ご確認をお願いします。

1,固定残業手当制について
 飲食業や小売業など,長時間労働を招きやすい業種では,固定残業手当を導入している例が多くみられます。
 やり方としては,基本給以外にいくらか「役職手当」「店長手当」とか「営業手当」の名目で別途手当をつけて,「残業代はこの手当の中に含まれているからね。」というものです。
 この固定残業手当ですが,以下のリンクで約2年半前に解説したように,導入には細心の注意が必要です。
http://www.tanida-lawyer.jp/201701042412.php
 雇用契約書や就業規則の記載に注意を払い,実際の残業代が固定残業手当を超えた場合はきちんと超過分を支給する,ということが必須です。

 そして,特に今回の法改正との関係では「固定残業手当の割合」に気をつけないといけません。
 今回の時間外労働の上限規制によって,月間の時間外労働は原則として45時間までとなりました。
 そのため,45時間分を超えるような固定残業手当は無効とされる恐れが極めて高いです。
 裁判所の立場としても,違法な残業時間を織り込んだ固定残業手当を正面から有効と言い切ることはできないでしょうし。

 例えば,「基本給20万円,固定残業手当86,200円(≒残業60時間分)」という給与体系ですと,「この固定残業手当は,法律上の月間残業時間の上限を超えているから無効である。基本給286,200円の雇用契約と見なす」と判断され,ものすごい残業代を請求されるわけです。

 基本給20万円の場合,固定残業手当は64,600円(≒残業45時間分)にとどめておくのが無難でしょう。

 奇しくも,まだ今回の法改正が固まっていない2年半前,当事務所は同じような趣旨のコラムを書いていました。
http://www.tanida-lawyer.jp/201701302432.php
 内容は重複しますが,固定残業手当制度を導入している企業様は上記リンク先もご確認頂けますと,確実度が増します。
 
  昨年,最高裁で固定残業手当について(やや)会社側に有利な裁判例が出ました,それでも油断は出来ないところです。
 固定残業手当を遙かに超える残業をさせておきながら,超過分の残業代を払っていないのなら,やはり会社にとって厳しい判断がなされるでしょう。
 くれぐれも,固定残業手当の導入は慎重にご検討下さい。
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