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マイナンバー制度5~対策の概要~

2015年08月28日

 さて,これまで4回かけて

「なぜ,中小企業がマイナンバー制度を知る必要があるのか」

「どういう場面で問題になるのか」

「禁止事項・罰則」

「個人情報保護法との比較」

というお題で,マイナンバー制度のご説明をしてきました。
 今回以降,一般の中小企業がマイナンバー制度対応のため,どういうことに気を付ければいいのか,どういう体制を整えればいいのかということについてご説明していきます。

 他の説明についてもいえることですが,谷田はこういった新しい制度・規制について,まずはざっくりとした注意点をお伝えするようにしています。そちらの方が,個々の細かい説明が頭に入りやすいからですね。
 なので,今回は本当に大雑把な説明になりますが,次回以降ちゃんとした説明をさせて頂きますのでご安心下さい。

1,マイナンバーを尋ねていい相手を知る!
企業が,マイナンバーを尋ねていい相手は以下の4種類です。
① 従業員とその扶養親族
② (利益配当をする場合)株主や出資者
③ 不動産の貸主や外部専門家等の支払先
④ (金融機関の場合)その顧客
 このうち,一般の中小企業に関係があるのは①と③に限定されると思います。
 つまり「従業員とその扶養親族」「費用の支払先」以外には,「マイナンバーは尋ねてはいけない!」と考えましょう。
 間違っても,顧客・お得意様のマイナンバーを聞いたりしてはいけません。

2,マイナンバーの尋ね方を知る!
 「従業員とその扶養家族」「費用の支払先」には,マイナンバーを尋ねることができますが,その際に必要な手続きがあります。「本人確認手続」がその主なもので,具体的な方法については次回以降詳しく解説します。

3,取得したマイナンバーを使っていい場面を知る!
 企業が,教えてもらったマイナンバーを使っていい場面は,法律上厳格に制限されています。この辺の細かいところも次回以降に譲りますが,とにかく決められた場面以外では「マイナンバーは使わない!」と押さえておきましょう。

4,マイナンバーのルールについて,従業員への周知を徹底する!

 前回・前々回にお話しした通り,マイナンバーの不正漏洩等については処罰規定があります。のみならず,従業員の違法行為について使用者である会社まで処罰されることもあり得ます(両罰規定)。
 ですので,単に経営者の方が理解するだけでなく,従業員に対する周知も徹底したいところです。

 いかがでしょうか。ものすごくざっくりしていますが,ひとまず以上の4点さえ外さなければ,中小企業がマイナンバー制度で大やけどをすることはないと思われます。
 次回は,もう少し細かいお話や,役に立つ書式のご提供をしたいと思いますので,今しばらくお付き合い願います。