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マイナンバー制度3~禁止事項・罰則~

2015年08月21日

 さて,前回「マイナンバー制度2~どういう場面で出てくるの?~」では,マイナンバーの利用場面についてご説明しました。
 今回は「マイナンバー制度上の禁止事項」「罰則」についてご説明しようと思います。

1 マイナンバー制度での禁止事項は?
 前回書いたことと重複しますが,マイナンバー法19条に列挙されている以外の場面で,個々人のマイナンバーを「提供」したり,「収集」したりすることは禁止されています。その個人の同意があってもダメです。
 意外かも知れませんが,自分のマイナンバーも,必要なしに人に教えてはならないのです。「自分の情報なんだから,誰に教えようが勝手でしょ」は通用しません。
 また,例えば顧客囲い込みのための会員カードを発行するときに,本人確認のために免許証等をコピーする,ということが行われてきたかと思いますが,こういった目的で顧客のマイナンバーを取得することは禁止されています(
マイナンバー法19条の例外事由にあたらないため)。そのため,会員カードを発行するにあたって,仮に個人番号カードをコピーさせてもらうとしても,マイナンバーが記載されている裏面はコピーしてはいけません。(逆の見方をすれば,ベネッセが依然やらかしたようなノリで「顧客のマイナンバーが大量流出!」ということは起こりえない,とも言えます。顧客のマイナンバーを集めること自体禁止されているわけですから)
 そして,正当な目的で企業が集めたマイナンバーのデータベースを,正当な理由なく第三者に提供することは禁止されています。この点はむしろわかりやすいところですね。

2 この制度で設けられている罰則
 では,マイナンバーに関連して,どういうことが処罰の対象になるのでしょうか?処罰の対象となる行為自体は,おそらく皆さんの予想から大きく外れていないと思います。中小企業に関係のある罰則についてざっくりと書きますと・・・

・マイナンバーの管理担当者(=企業の内部者)などが,マイナンバーのリストを正当な理由もないのに第三者に渡した場合→4年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金

・マイナンバーの管理担当者が,リスト化されていないマイナンバーを,不正の利益を得る目的で第三者に渡した場合→3年以下の懲役もしくは150万円以下の罰金

・嘘や暴行,不正アクセス等不正の行為によってマイナンバーを取得した場合(中小企業にはあまり関係ない?)→3年以下の懲役もしくは150万円以下の罰金

・・・などなど,「まあ,それはやっちゃいかんよね」というわかりやすい行為が並んでいます。
 ですが,中小企業にとって重要な話はここからです。これらの罰則には「両罰規定」が設けられています。つまり,従業員がこれらの犯罪をしてしまうと,たとえ会社に悪意がなくても会社まで処罰されてしまうことがある,というわけです。
 そのため,マイナンバー制度は,単に経営者の皆さんが理解するだけでは不十分であり,マイナンバーの管理をする従業員への周知徹底も不可欠となってくるのです。

 次回は,マイナンバー制度としばしば混同されたり,比較されたりする「個人情報保護法」と比較することで,マイナンバー制度の誤解を取り除きたいと思います。