弁護士・中小企業診断士の谷田が,中小企業の皆さんを法律・経営両面で支援します。

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債権回収について1~はじめに~

2017年10月10日

 さて,前回まではリース契約や不動産共有のおっかなさ等,中小企業がしばしばつまづいてしまうテーマについてお話をしてきました。
 「この辺で,民法大改正について解説しようかな」とも思ったのですが・・・改正民法が施行されるまでまだ3年弱ありますし,この間に改正法の議論も成熟していくと予想されます。
 ですので,民法大改正の解説はまた後日にするとして,当分は宮崎県の中小企業にとって身近なテーマを引き続き扱っていきたいと思います。

 さて,多くの中小企業にとって不可避なテーマとして,「債権回収」があります。売掛金を持たない「小売業」「飲食業」でもない限り,債権回収に頭を悩ませる経営者の方は多いのではないでしょうか。

 一応,当事務所のHPにも債権回収のコーナーは設けているのですが,あくまで「債権回収を弁護士に依頼した場合の流れ」を紹介しているだけで,内容面についてまでは踏み込んでいませんでした。
http://www.tanida-lawyer.jp/collection-of-claim.php
 今回からは,「債権を焦げ付かせないためには,どういったことに気をつければいいのか」「いざ焦げ付いたときには,どのような証拠・情報を用意すればいいのか」について解説したいと思います。

 どんなに凄腕の弁護士であっても,依頼者の方が債権回収を全く意識していなければ手の打ちようがありません。このコラムをお読みの経営者の方は,次回以降の記事をお読み頂き,少しでも債権回収の成功率を上げて頂きたいと思います。

 さて,次回からさっそくギアを上げて内容面へ・・・と言いたいところですが,まずは「なぜ,債権回収について勉強しないといけないのか」というところから説明していこうと思います。
 「債権回収?普通に会社を経営していく中で経験しているし,わざわざ弁護士に教えてもらうほどのことでもないでしょ?」とお考えの社長もいらっしゃるかと思いますが,次回のコラムをお読み頂ければ,「債権回収って思っていたのとだいぶ違うな。ちゃんと勉強しないと・・・」といった感じで,考えを改めて頂けることとと思います。