(前回「持ち家,他人に貸す時は要注意!2」の続きです。)
ご自分の持ち家を他人に貸したい場合は,「定期借家契約」という制度を活用しましょう。
これは,普通の借家契約の不都合を防ぐためにできた制度で,事前に決めた契約期間ぴったりで借家契約を終わらせることができます。
専用の契約条項を契約書に埋め込まないといけなかったり,契約に先だって借主へ必要な説明をしないといけない等,クリアしないといけない条件がいくつかあるものの,別に費用がかさむわけでもありません。
(借地借家法には「公正証書による等書面によって契約をするときに限り」と書いていますが,あくまで公正証書は一例に過ぎず,普通の紙切れで作った契約書でも構いません。)
そういう意味では,とても活用しやすい制度といえます。
なお,定期借家契約を活用する際に気をつけて頂きたいことがあります。
持ち家を賃貸に出すときは,不動産仲介業者に依頼をして、借主を探してもらうのが一般的かと思います。
そして,建物賃貸借契約書も,仲介業者が用意したひな形で契約するのが普通でしょう。
このとき,仲介業者はほぼ確実に「普通の借家契約書」のひな形を使おうとします。
「定期借家契約だと、借主を見つけにくい」
「その仲介業者が,そもそも定期借家契約を知らないor詳しくないので使いたがらない」
等,理由は様々ですが,とにかく家主側の事情に配慮して,定期借家契約を活用しようとする仲介業者はあまり多くありません。(というか,少なくとも宮崎県では見かけたことがありません。)
普通の賃貸アパートならともかく,「転勤等で一時的に貸したいだけ」という家主さんに対しては,定期借家契約を積極的に提案する義務があると思うのですが・・・。
ですので,家主側は,仲介業者に依頼するときに,積極的に「定期借家契約にして欲しい。」ということを伝えましょう。