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他士業との連携1

2015年08月01日

 今回は、これまで弁護士業務をやっていて痛感した「他士業との連携の大切さ」についてお話ししようかと思います。

 法律事務所のホームページを見ていると、「当事務所は他士業とのネットワークを有しています云々」と書いてあるところが結構多いです。というか、当事務所のHPもそうでした・・・。http://www.tanida-lawyer.jp/profile.php
 ただ、他士業との連携がなぜ大事なのかについてまで踏み込んで説明している事務所は、意外と少ないものです。そこで、今回のようなお題でコラムを書いてみようかと思いました。
 あんまり抽象的な理論を振り回しても分かりづらいので、いくつか「弁護士が他士業と連携しないと痛い目にあうケース」を挙げてみようと思います。

1、相手と和解する場合
 例えば、裁判手続の中で争っていたけど最終的に和解をする、という場面では、和解調書というものが作成されます。平たく言えば「裁判所の立会いのもとで作られる契約書」といったところです。
 そして、不動産が絡む事件などでは、この出来上がった和解調書を法務局に持って行って「こういう和解がまとまったので、この土地の所有権を私に移す登記をしてください」といった申請をするのですが、和解調書の言い回しがおかしいと「これでは登記はできません」などと言われてつっぱねられてしまいます。(この手の事故は結構よく耳にします)
 一応、言い回しの訂正のレベルであれば、裁判所に和解調書を訂正してもらえるのですが、それでも余計な時間がかかってしまいますので、依頼者の方に迷惑をかけないためには避けたいトラブルです。
 そのため、不動産が絡む事件で裁判上の和解をするときは、私は必ず司法書士に和解条項案のチェックを受けるようにしています。

 また、和解条項の記載次第では、思わぬ税金をかけられてしまうことがあるので、この点では税理士のチェックも大事になってきます。
 不用意な和解条項のせいで依頼者の方に莫大な課税がされたときに、弁護士が「いやあ、税金のことは詳しくないんで、こんなことになるなんて思いませんでした」なんてさすがに言えません。(堂々とこういうことを言う弁護士もたまーにいますが・・・)

「他士業との連携2」に続きます。